概要
Liferayポイント解説第5回は「Liferayのワークフロー機能」です。Liferayで使用できるワークフロー機能について紹介します。
「ワークフロー」とは
ワークフローとは、一般的には「業務処理手順のルール化」を意味しており、IT分野でのワークフローシステムでは、主に「申請承認プロセス」を指します。
基本的な流れとしては、申請者が「申請作成」を行い、承認者が「申請承認or非承認」を行ないます。
ワークフローシステムのメリットとしては、「申請承認までの迅速化」「管理工数低減」「コンプライアンスの維持/強化」などがあげられます。
Liferayでのワークフロー
Liferayのワークフローは「Webコンテンツベース」です。「作成したコンテンツについて承認を得てから公開する」ことを主眼としています。ワークフローを通じて、チームでWebコンテンツを管理できます。
主なフロー
- コンテンツ作成者がコンテンツを作成
- コンテンツ作成者が申請
- コンテンツ承認者が承認
- コンテンツ公開
コンテンツ公開に関して、必ずコンテンツ承認者のチェックが入ることにより、コンテンツを一定以上のクオリティに維持できます。
Liferayで利用できる主なワークフローエンジン
Liferayでは、複数のドキュメントワークフローエンジン(ポートレット)から最適なものを選択して使用できます。
主なドキュメントワークフローエンジンとしては、以下のようなものがあります。
- 「Kaleo」—Liferay社が提供
- 「Activiti」—Alfresco社が提供
- 「jBPM」—JBossプロジェクトが提供
Webコンテンツベースワークフロー「Kaleo」
Liferay社が提供するドキュメントワークフローエンジン「Kaleo」について紹介します。
「Kaleo」は、コンテンツのレビュー方法や公開方法などにおいて、Liferayに深いレベルで統合されています。
対象エディション
Kaleoは、Liferayの「無料CE版(Community Edition)」および「有料EE版(Enterprise Edition)」の両方で利用できます。
ワークフロー機能
さまざまなワークフロー機能が搭載されています。
- 承認プロセス
- メール送信
- ドキュメント更新
- プラグイン起動 など
Kaleoワークフロー定義の作成
Kaleoワークフロープロセス定義は、XMLファイルで定義を行います。
ポータル管理者は、ポータル全体に適用する複数のワークフロープロセス定義を作成します。各サイト管理者は、ポータルレベルのワークフロープロセス定義をそれぞれカスタマイズしてサイトに適用できます。
ワークフロー管理対象として「ドキュメント」「Wiki」「ブログ」「コメント」など指定できます。
ワークフローは、ワークフローの段階を示す「ノード」と、次のノードがどうあるべきかを示す「遷移」で定義します。複数の承認を通過するワークフローなども定義できます。
Kaleoワークフロー作成GUI(EE版のみ)
Liferayの「有料EE版(Enterprise Edition)」には、ワークフロー定義を作成するためのGUIが提供されています。この機能を利用すれば、XMLファイルの編集を行わずに、コントロールパネルを介して、簡単にワークフローの作成(修正)を行えます。
※Liferay「無料CE版(Community Edition)」には提供されていません。
ユーザ側の使い方
ワークフローで作業が割り当てられたユーザには、ワークフロー作業依頼が通知されます。必要な作業を完了して登録することで、ワークフローが次の段階に進んでいきます。